Chapitre XXV ジョルダーニの館
『コリコーロ』翻訳マラソン その2 ジョルダーニの館
今回は多分コリコーロのなかで最も長い記事の一つ「ジョルダーニの館」をようやく訳し終わった。5日間かかった。ヴェスヴィオ火山の噴火で終わる悲劇的な話で、訳しながらいやだなと思ったものだ。今回、その冒頭だけ紹介しましょう。
Chapitre XXVジョルダーニの館
聖ヤヌアリウスによって奇跡的に鎮静されたヴェスヴィオ火山の激しい噴火は、奇妙なエピソードを残した。
ヴェスヴィオの斜面で、セベトゥスの枝を材料にして、レオポール・ロベール1のうっとりさせる絵画の奥にある白味がかって見える魅力的な別荘の一つが建っている。それは、家より大きく宮殿ほど荘厳でないエレガントな正方形の建物で、柱で支えられた柱廊、屋上テラス、緑の鎧戸、花で覆われたポーチがあり、その階段はオレンジの木、キョウチクトウ、ザクロが植えられている庭に続いている。このかわいらしい住居の一つの角にはヤシの木の群れが聳え、その頂部は屋根より高く、羽根のように落ちかかって建物全体にいささか東洋風の趣を添え、見る物を楽しませてくれた。ナポリではそれが普通だが、日中は寡黙な別荘は孤独に扉を閉ざしたままだ。しかし、夕方が来ると、夕日とともに潮風が吹き、ブラインドが静かに開いて呼吸し、この魅惑的な住居の足元を通る人々は、金色に輝く家具と豊かなタピストリーに飾られた室内を窓越しに眺めることができた。その中をハンサムな若い男性と美しい若い女性が互いに腕と腕を絡ませ愛を湛えて歩くのが見えた。彼らはこの小さな妖精の宮殿の主人、オドアルド・ジョルダーニ伯爵とその若妻、リア伯爵夫人であった。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません