コリコーロの由来

2020年8月3日出版

デュマ翻訳マラソン 第一歩

まえがき

前書き

コリコーロはカレッシーノの同義語だが、完全な同義語というものはないので、コリコーロとカレッシーノの違いを説明しよう。

コリコーロは、もともとは一人を乗せて一頭の馬に牽かせるティルベリーの一種である。それを二頭の馬で牽かせ、十二人から十五人の人間を運ぶのだ。

ただ、フランク諸王の牛車のように歩いたり、二人乗りの軽装馬車のように早足で駆けるなどと信じないでほしい。なんの、全速力で走るのだから。シメテ川のほとりからプロセルピナを拐かした冥界王(プルートー)の戦車でさえ、溶岩の敷石を火花を散らし粉塵を巻き上げてナポリの岸壁を縦横に走るコリコーロよりも速く走ったはずがない。

ただし、実際に引くのは2頭のうちの一頭、引き馬のみ。もう一頭は、副え馬(ビランチーノ)と呼ばれ、脇につけられて、飛んだり跳ねたりして、引き馬を激励する、それだけだ。ティーテュルスのようにどんな神が副え馬にこの休息を与えたのだろう?それは偶然であり、恩寵であり、運命だ。どの馬も人間と同様に守護星を持ってるからだ。

このティルベリーは1人乗りであり、通常は12人から15人を運ぶ。それはよくわかったが、説明が必要だ。古いフランスのことわざで、「一度あれば二度ある」というが、「一度あると一五度ある」ということわざはどの言語でも聞いたことがない。

しかし、コリコーロに限ってはそうなのだ。このように、文明が進めば、どんなものでももともとの目的から外れるものだ。