パリ生活3週間
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パリ生活3週間〜モンパルナスにアパルトマンを借りて〜
中田 平 著
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『パリ生活3週間〜モンパルナスにアパルトマンを借りて〜』をプレビューでお楽しみください。
内容紹介
omelette aux champignons
朝食はマッシュルームが残ったので、omelette aux champignons (オムレット・オー・シャンピニオン)マッシュルームオムレツにした。ジュースと2日越しのバゲットも、ジャムと一緒に。フライパンがベコベコなので火の調節がうまくいかないのが悲しい。いやいや、道具にかこつけては良い料理人とは言えない。後でフライパン買いに行こう。ジョルジュ・ブラッサンス公園と近くの朝市
驚いた。こんな近くにParc Georges Brassensジョルジュ・ブラッサンス公園なるものがあるとは。 iPhoneの着信音を長らくブラッサンスにしてたほど好きだった。というか、日本ではフランスの歌というと1950年、60年代に流行ったいわゆるシャンソンであって、それこそエディット・ピアフEdith Piafだったり、イヴ・モンタンYves Montandだったり、ジュリエット・グレコJuliette Grécoといった人たちが有名だ。そういった流行歌とは別に、gauloiserieゴーロワズリと言われるガリア人気質をもったブラッサンスの人気も密かに高かったのだ。ピエール・コルネイユPierre Corneilleやアルフレッド・ド・ミュッセAlfred de Musset、ヴィクトール・ユゴーVictor Hugo、ポール・ヴェルレーヌPaul Verlaineやフランソワ・ヴィヨンFrançois Villonやルイ・アラゴンLouis Aragonと言ったフランス文学の巨匠たちの詩を作曲して歌ったり、自作自演したりした。フランスのGeorges Brassensサイトはもちろんだが、日本の「ジョルジュ・ブラッサンス全集」と名づけたサイトも参照に値する。是非ご覧いただきたい。 私が待ち受け曲にしていたのはles copins d’abord「仲間を先に」という曲。 なぜこの公園にブラッサンスの名前を付けたのかをフランス語のWikipédiaを調べてみると次のような記述があった。Totalement restructuré au début des années 1980, le parc est ouvert au public en 1985. Il a été dénommé Georges Brassens en hommage à l’artiste qui a vécu l’essentiel de sa vie parisienne à quelques centaines de mètres du lieu, au 9, impasse Florimont (14e), puis au 42, rue Santos-Dumont (15e).
1980年代に完全に再建され、1985年に公園は一般開放された。公園はジョルジュ・ブラッサンスの名前を付けられたが、それはこの場所から数百メートル以内のアンパス・フロリモン9番地(パリ14区)、その次にサントス・デュモン通り42番地(パリ15区)でパリ生活の大部分を過ごしたこの芸術家に捧げられたのである。 なるほどね。だからここに彼の名前のついた公園があるんだ、とその理由がよくわかった。2つの住所はわれわれのアパルトマンとそれこそ数百メートルと離れていない。これも何かの縁というものだろうか。ブラッサンスという詩人にしてシンガー・ソングライターという歌手は日本では見当たらないかもしれない。フランスの古い詩的伝統に則って、若い頃、窃盗罪で執行猶予付き有罪になったブラッサンスは中世からルネサンスにかけて活躍した吟遊詩人や15世紀に生きた泥棒詩人と呼ばれたフランソワ・ヴィヨンが現代に蘇ったとも言える。ヴィヨンは言うまでもなく、太宰治の短編小説『ヴィヨンの妻』で主人公大谷をなぞらえている詩人でもある。日本でもCDやiTunesでも買えるし、根強いファンがいるので、彼のシャンソンの内容についてはそちらに任せることにして、是非、彼のシャンソンを一度聞いて、男くさい、フランソワ・ラブレーのガルガンチュワとパンタグリュエル的な世界観を味わって貰いたい。 ジョルジュ・ブラッサンス公園 ブラッサンス公園から歩いてすぐ近くの朝市に行ってみた。市場は私の大好きな場所の一つで、アメリカのファーマーズマーケットはもちろん、フランスでもヴェルサイユの公設市場のすばらしさを堪能したり、市場はその土地の庶民の活力を知るもっとも身近な場所である。しかし、長い歩道に仮テントを立てたこの市場は、それほど魅力的な店もなく、結局、買ったのはさくらんぼ1キロだけだった。市場と無関係な朝市の立つ通りにある肉屋で白ハム(日本でも作っているハムの種類)と生ハムと鶏の丸焼きとジャガイモを購入した。店の人たちとしばし歓談して帰った。実に朗らかな店員さんたちだった。ガトー・バチューGâteau battuというパン屋
また、歩いて帰る途中に会ったパン屋、ガトー・バチューGâteau battuというパン屋でパンとブリオッシュとエクレアとルリジューズを購入。すごい行列の店だった。 Gâteau battu というのは、同じくフランス語のWickpediaによれば今ではそこら中で作られるようになったが、かつてはソンム県 Somme 、その中でも特にアブヴィル Abbeville郡の特産物だったという。Le Gâteau battu est une spécialité de la Somme et plus particulièrement de la région d’Abbeville même s’il est aujourd’hui fabriqué dans tout le département.
C’est une sorte de brioche à la croûte brune, riche en beurre et en œufs, dont la pâte d’un jaune doré très alvéolée est plus aérée et moelleuse que la brioche traditionnelle. Symbole gastronomique de la Picardie maritime, cette pâtisserie reconnaissable à sa forme en toque de cuisinier était à l’origine le dessert des jours de fêtes traditionnelles. L’abondance de beurre et d’œufs de ce gâteau tranchait alors singulièrement avec les saisons difficiles pendant lesquelles les populations rurales faisaient maigre.
ガトー・バチューは今ではそこら中で作られるようになったが、かつてはソンム県、その中でも特にアブヴィル郡の特産物だった。
バターと卵がたっぷり入った茶色の皮のブリオッシュの一種で、蜂の巣状の穴がたくさんあいた黄金色の生地は伝統的なブリオッシュよりはるかに空気が多くてふわふわしている。海側のピカルディー地方の美食の象徴としてコック帽の外形ですぐそれとわかるこのケーキは、元は伝統的な祝祭日のデザートであった。バターと卵のたっぷり入ったこの菓子は、この地方の人々が特に小斎(肉抜きの精進料理)を耐えているその辛い季節と好対照をなしていた。
その地方の村民たちがガトー・バチューを楽しみに精進月を耐えている姿が思い浮かぶようだ。 ガトー・バチュー解説と目次
目次
- 3週間のパリ滞在旅行の計画と準備
-
航空券の予約
- 短期滞在型のアパート
- 1泊だけのホテルはHotel.comで予約
- 成田空港発、パリ、シャルル・ド・ゴール空港着、空港からホテルへタクシーで移動
- 夜食を食べに夜の街で中華料理を楽しむ
- メニューの読み方
- モンパルナスタワーのレストランCiel de Parisで朝食
- モンパルナス墓地
- アパルトマン
- 昼食のメニュー 定食について
- アパルトマンからの夜景がきれいなこと
- le petit déjeuner朝食のメニューについて
- le reçu領収書の読み方
- フランス国立図書館フランソワ・ミッテランに行く
- 地下鉄工事中のトラブル
- かつてリヨンからエクサンプロヴァンスに行けなかった顛末
- 自炊ができるのがアパルトマン生活の楽しみ
- Georges Brassansジョルジュ・ブラッサンス公園と近くの朝市
- Gallerie La Fayette (ギャルリー・ラファイエット)何様!!
- La Coupole(ラ・クーポール)
- GPSを利用したオープンストリートマップで地図を利用する
- Toursに行くツアーを組んだ
- フランスは劇的な世界だという話について
- TGVに乗ってToursトゥールに行く
- Amboiseアンボワーズ城
- Chenonceauシュノンソー城
- レストラン Au chien jaune (黄色い犬)
- トゥールの聖ガシアン大聖堂
- 鉄道切符の変更について
- ヴァカンス休業全開
- フォアグラと鴨料理
- マンションの外観
- Liveboxの復活
- ミラボー橋と自由の女神
- パン粉が見つからずにとんかつのコロモに四苦八苦した件
- サンジェルマン・デ・プレに出かける
- レストランle Petit zincで昼食
- フォーブール・サン・トノレ
- マルブッフ通り33
- 昼はスパゲッティ・ボロネーゼ、夜はステックフリット
- パリのバス路線を調べる方法
- 95番線バス路線をムービーで再現する
- オペラ座の見学
- Ramen Higuma ラーメンヒグマ
- チュイルリー公園の観覧車
- Vélibという貸し自転車
- またまた切符売り場でトラブル
- フランス語と英語の発音の違いについて
- Compiègne の旅
- Palais de Compiègne (コンピエーニュ宮)
- Bistro de Terroir 郷土料理のビストロ
- シャンソンにまつわる話
- Panthéon パンテオン宮殿とその界隈
- 昼はイタリアンレストランに行き、夜はムール貝を料理
- シャンパーニュ日帰りツアー
- Moët & Chandonのカーヴで日本語の上手な社員さんから詳しい説明を受ける。
- 昼食はフルコース
- Reimsのノートルダム大聖堂
- 子羊の骨付きあばら肉
- La Duréeというマカロンで有名なお店
- NAGOYAというレストランへ行ってきた。
- 何故モンサンミッシェル・ツアーが流行るのか?
- Place d’Italie
- ベトナム料理
- 3回目のLa Coupoleのモーニング
- 地域に根ざした教会を2つ紹介しよう。
- 中村江里子だってこんなひどい目にあっている。
- ロンドン旅行の準備 イギリス人の対応の良さとるるぶロンドンの電子版
- 国鉄職員がイギリスとフランスの時差を知らないって話
- 夜は七面鳥を料理 この挿話を御覧ください。
- パリの北駅からユーロスターでロンドンのSt Pancras International駅まで
- 大英博物館
- Restaurant Blue Door
- コヴェントガーデン
- ピカデリーサーカスー>トラファルガー広場
- トラファルガー広場ー>エンバンクメント
- エンバンクメントー>ウェストミンスター寺院(ビッグベン)ー>バッキンガム宮殿
- バッキンガム宮殿
- シャーロック・ホームズとご対面
- ここはどこ?ロンドンSt Pancras駅のなかの回転寿司
- パリのアパルトマンに帰還
- インド料理
- Autolib’という貸し自動車
- Crèperie L’Ile au blé noir
- マカロンなど購入
- もう一度NAGOYAへ
- Restaurant Le Morgane
- ビジネスクラスにアップグレード
- iPadを飛行機の座席に忘れた顛末について