フランス語オペラ対訳 ポルティチのもの言えぬ娘
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概要
オギュスタン・ウジェーヌ・スクリーブとジェルマン・ドラヴィーニュが台本を書き、ダニエル=フランソワ=エスプリ・オベールが作曲した5幕のグランド・オペラLa Muette de Portici『ポルティチのもの言えぬ娘』のフランス語オペラの対訳。
『La Muette de Porticiポルティチのもの言えぬ娘』(一八二八年)の大成功は、スクリーブの才能をバレエとオペラの組み合わせという世界でも特殊なオペラ、フランスのgrand opéraグラン・トペラ(グランド・オペラ)というジャンルを確立する重要な作品となった。もの言えぬ娘を主役にすることによって、身体表現によってしかコミュニケーションが取れない声を失った主人公を登場させることによって、バレエとパントミーム(パントマイム)という舞台表現の必然性を訴える天才的な発想を見せたことは指摘しておかなければならない。
一八三〇年八月二十五日、ネーデルラント連合王国のウィリアム王の五十九歳の誕生日を記念して、ブリュッセルのモネ劇場で『ポルティチのもの言えぬ娘』の公演が行われた。前年の『アルシビアード』を歓迎した当時の観客は、ベルギー人の状況と、十七世紀のスペインの支配に対するナポリ人の反乱を舞台にしたこの作品との間に類似点があることに気づいた。公演中にもかかわらず、観客は立ち上がり、「武器へ、武器へ! 」の叫び声を上げて、ベルギーの自由主義者とカトリック教徒の連立に反対するウィリアム王の主張を支持した新聞社「ナショナル」のビルに向かって行進したという。これがネーデルラント連合王国のオランダの支配からの脱出となるベルギー革命の発端となったのである。作者スクリーブも予想だにしなかったと思われる意外な影響は、オペラという一種のマルチメディアが政治や歴史に大きなインパクトを与えた画期的なエピソードとなった。
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