金沢寺町女子駆込寮
金沢寺町女子駆込寮
著者 中田たか子
印刷書籍(本)
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水木みすゞは四十歳で、金沢市寺町のお寺、金蓮寺の娘で女性困り事相談所を運営している。近所では女子駆け込寮として名が通っている。現在、三木美里という現在六十歳で十年間一番長く滞在している元ホステスと、佐島愛という三十歳で駆込寮から通勤しているホステスと西茶屋街で三味線を教えていたが、現役引退で行くところがなく、最近やって来た彩乃七十歳が入居している。父の住職は元大学教授で専攻はフランス文学。愛は片町の高級クラブに勤めているが、新型コロナウィルスのせいで客足が途絶えて、店長からハローワークに行けと言われて困惑している。美里はせっかくもらった招待券が「金沢おどり」がキャンセルになったためにつかえなくなったのに腹を立て、認知症を疑われる。こうした入居者の困りごと相談だけではすまず、みすゞは在宅勤務になった夫とテレワークを巡ってギクシャクし始めた子連れの離婚相談者や、住職が葬式を上げた突然死のレストランのオーナーシェフの残された妻と娘の入居相談まで乗らなければならない。彩乃はボケ防止に美里に三味線と唄を教えることになるが、近所で評判になってたくさんの入門者が押しかける人気になる。みすゞのアドバイスで愛はフェイスシールドの歯科技工士姿で接客に踏み切り、同時に未亡人と娘の仕事の相談まで仕切る始末。自分のことは二の次にしてきたみすゞに、最後に幸せが待っている。
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